改めて考える、サウジアラビアという国

(注:今回の記事は、女性の方には不快な内容かもです。)

例年、この時期になると、「サウジでついに女性に運転が解禁される、かも!?」というニュースが入ってきます。そう、サウジはGCCで唯一女性に運転を許可していない国なのです。

コレには諸説あって、「女性は保護されるべき存在なので自ら運転をすべきではない」とか、「女性が運転するということは自由に異性と接触する機会を与えることなのでダメだ」とか...まぁ、本音は後者かな?
現在報道されている内容からすると、「免許取得は30代以上の既婚女性に限り、かつ父親・夫・地域代表の推薦が必要」「運転可能時間は朝8時から夕方6時まで」「事故発生時などに異性との接触を避けるため、運転時の携帯使用を許可する」方向で調整中、だそうな。我々外国人からすると、笑い話のような内容なのですが...

現在、女性の運転解禁について、サウジのニュース報道や政府高官のインタビューに英語字幕を付けたものがYou Tubeで流れています。コレを見ると、笑い話どころか、男性の私ですら気分が悪くなるような内容が含まれています。
こともあろうに政府の高官が、TVのインタビューに対して、「女性は男性の所有物であって、運転など不要だ。男性の性的欲求に応えることをしっかりやっていれば良いのだ」という発言を公然とする、ってどう思いますか?

ドバイに2年住み、サウジ人と一緒に働いている私には、サウジ人に対する「ある考え」が拭えません。それは...
「コイツら、いつの時代の人間だよ!」
って事です。ホントに「7~8世紀頃の人たちと話してるみたい」な感覚に襲われます。

現在のサウジでは、サウド家による独裁支配が行われています。世俗国家(宗教と政治を分離し、政治においては宗教・宗派の影響を排除した国家)である多くのアラブ国家と違い、サウド家はイスラム教の中でも厳格な事で知られるワッハーブ宗の宗家でもあり、言ってみれば宗教を独裁の道具として使っています。
んでは、サウジ王家は戒律に従順なの?と言えば、答はNOです。サウジの王族一派は放蕩し放題で、海外での行いはムチャクチャな事でよく知られています。サウジ人、特に王族と名の付く人種がアラブ人にも嫌われているのは主にこのためです。
(注:アラブ人は子だくさんなので、「王族」と呼ばれる人々は、サウジの場合約3万人ほどいると言われています。この「王族」たちがサウジ社会を牛耳り、石油権益を貪っているわけです。ちなみに、王族の称号「Sheikh」は、何と金でも買えるらしいです)

こんな感じなので、現在チベットに対する人権蹂躙により中国が国際的に叩かれはじめていますが、本来ならサウジなんてもっと早くから叩かれてしかるべきなのです。そうされないのは、サウド家が早くからアメリカを取り込んでいるから。アメリカにとってサウジは中東への影響力行使の要であり、また現政権が崩壊するとイランのようにイスラム革命が起こりかねない。サウド家は本来アラブと犬猿の仲であるアメリカを自国に取り込む事により、反対勢力を抑え込んでいるのです。

この件、話し始めると一晩でも語れちゃうほど色々あるのですが、それはまた別の機会に。

f0100050_1535737.jpgサウジの文化をこの側面から知ってみたい方、また私に仕事上「サウジも変わるはずだ」「国際的感覚ではこうだ、サウジでも受け入れられるはずだ」と意見される方へ。参考になる書籍があります。
「Princess」という本です。日本でも、「プリンセス・スータナ~ロイヤルファミリーの隠された真実」という題で出版されています。
これは、サウジの王家に生まれた女性がサウジ王家で日々何が起こっているのかを赤裸々に描いた暴露本です。
この本、現在は残念ながら日本では絶版になっていますが、Amazonの中古本で購入できるようです。初版は1992年ですが、洋書の方は最近また話題となり増刷されていますので現在も入手可能です。洋書の方は全3部作です。
これを読むと、サウジという国がいかに「変」で、閉鎖的で、今後も恐らく変わらない絶望的な国なのだということがお解り頂けるかと思います。ハンドボールの「中東の笛」なんて我々には日常茶飯事(ちなみに、クウェート王家も似たようなモン)。真っ当な話が通じる相手だ、と思った段階で「間違ってる」と言えましょう...ちなみにこの本、サウジでは当然「発禁」ですが、他のアラブ国家では普通に書店に並んでいます。その辺り、他のアラブ国家がサウジを本音ではどう見ているのかが窺い知れますね。

我々が日々一緒に働いているパートナーは、そういう人々なんですよ...今はただ、サウジに生まれなかったことを感謝しましょう。
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by enjoydubai | 2008-03-23 02:01 | 都市の紹介


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