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ツラい仕事

私はグローバル企業の在ドバイ支社で、管理職を務めています。

ということは、私の下には当地採用のローカル社員がいるわけで、採用・解雇も私の責任で行わねばなりません。
本音で言えば、アラブ人は採りたくないわけです。あくまで一般論ですが、アラブ人はプライドばかりが高くて、自己評価と実力が極端に乖離しているケースが多いです。加え、プライドが邪魔して他者との良好な関係を築き難く、また壁に当たった時にその原因を自己に見出す事が非常に難しい...そんな感じなので、業務経験を通じてのレベルアップが他民族に比べて非常に遅いケースが多いのです。
悪い点ばかり挙げるのはフェアでないので、良い点を紹介しておくと、一般にアラブ人はマネージメントには長けています。下に有能なスタッフを付け、アラブ人スタッフにはマネージャーとして業務管理に専念させると、チームとしてはパフォーマンスが出る場合が多く見られます。逆に、担当者として実務をやらせるとメロメロな場合が多いです。これはアラブの文化も背景にあるので責めるわけにもいかないのですが...なので、ある程度実績がある年長者を雇用する場合はそう問題ではないのですが、若年のアラブ人を雇って育てるのは非常に大変である場合が多いです。
(私の妻の英語の家庭教師に聞いても、アラブ人の生徒が一番教えにくいそうですヨ)

しかし、だからと言って、アラブで暮しアラブ人を相手に商売をやっているのに、スタッフは日本人やインド人ばかり、という訳にはもちろん行きません。しかも、私の商売は企画・マーケティング。チーム内にアラブ文化を深く理解しているスタッフを置くことは必須です。
また、我が社は経営方針としてマルチナショナリティ組織化を推進中。本社からはアラブ人雇用を最重要課題の一つとして指示されている状況です。

そんな状況下、私のチームのアラブ人スタッフが他部署に異動となり、私はその後継としてアラブ人の新卒を一昨年の10月に雇用しました。
...

人柄としては悪くないのでしょうが、全く使いモノになりません。できない事を認めない、人に教えを仰ぐことができない...大学で専攻していたというマーケティング知識も、実務レベルで見れば期待値を大きく下回っています。しかも、周囲の先輩スタッフとの人間関係構築が全く上手く行かず、社内ですっかり浮いた存在となってしまい、業務や会社生活を通じた自発的なレベルアップが全く期待できない状況に早々に陥ってしまいました。
部門責任者として、考え得る手を全て打ち、また忙しい中でも時間を取って本人にもあれこれと逐一アドバイスをしましたが、そもそも本人の社会人としての意識が薄く、いつまでたっても学生気分が抜けないお坊ちゃんの状態を脱する事ができません。

UAEの雇用ルールでは、雇用後3ヶ月間は試用期間という事で、期待にそぐわない場合は会社側の一方的な判断で解雇できることになっています。私は責任者として解雇を決断しました...が、彼の出身大学との関係、彼が新卒であり「私の判断が厳しすぎるのではないか」という人事の反対など様々な事情から、社としては「雇用継続」という形になりました。
まあ、後の祭りですが、それがいけなかった。そのままズルズルと1年以上が経過、本人のレベルは全く向上せず。私は責任者として放っておくことはできないので手当てをするが、結果的には全て時間の無駄。

このままでは会社と本人双方のためにならないと、昨年末に社長と直談判し、タイミングは逸していますが解雇宣告をする事にしました。
コレが私の今年最初の仕事になりました。本人は「理解できない」「なぜ今だ」と抵抗しましたが、じっくりと説得し、何とか離職してもらう事にしました。私にとっては、解雇宣告は実は初の経験ではありません。コレ、解雇を言い渡す側にとっても、実にツライです。当然ですが、私の側にも「雇用時に適性を見極められなかった」「育てられなかった」という負い目があるのです。解雇を言い渡す当日は胃が痛み、会社への足取りも重いです。その度に「こういう想いは繰り返したくない」と思うんですけどね。

今回解雇したこの若いアラブ人ですが、解雇が決まって身辺の記録や書類が改めて挙がってくると、私生活でも結構な問題を抱えていたことが明らかになりました。連日、社内の電話で私用の国際電話を掛けまくり。身の丈に合わない車に乗り、身の丈に合わない遊びをし、給料では当然足りずに親から仕送りをもらい、それでも足りなくて給料前借り&カードでローン。金銭面ではほぼ破綻寸前でした。今回支給される退職金で何とか完済できるようなので(この処理も私たちの方で相当に手を貸した)、結果的に彼にとっては解雇され生活をリセットすることがプラスに働くでしょう。一度地元の親許に戻り、MBAを取るために大学に入り直すそうですが...グローバル企業に再就職できたとしても、前回の失敗の原因が自分にある事に気付かない限り、彼はきっと同じ過ちを繰り返すのでしょう。最終日、私はかなり長い時間を取ってアドバイスしましたが、どこまで届いたことか...

GCCは出稼ぎ社会で、雇用と解雇は日常茶飯事なので、ドライに、かつ迅速に行わないといけません。変な温情をかけると、お互いのためにならないのです。人情派の私にはツライ社会です。
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by enjoydubai | 2009-01-24 23:06 | 日々の暮らし

しばらく消えます

新年早々、ごめんなさい。仕事が忙しいところ、本当に申し訳ないんですが

1週間、南の島に行ってきます。

仕事に穴が開かないように部下にはあれやこれやと指示し、さらに日本側にも協力を頼んではおきましたが...

電話&メールには反応しないつもりです。ゴメンね。だって、恐らくドバイ駐在最後のお休みなんだもの...
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by enjoydubai | 2009-01-09 03:55 | 日々の暮らし

ドバイでお正月(3回目)

f0100050_47149.jpgドバイで3回目の正月を無事迎える事ができました。

例年だと、年明けと同時にいろんな場所から盛大な花火が上がるんです。マリーナ地区の花火は我が家の2Fからも見えるので楽しみにしていたんですが、大晦日の22時くらいから濃霧に覆われてしまいました。午前0時に数発上がる音はしましたが、全く見えません...うっすら明るくすらならない状況。主催者側も諦めてしまったようで音もしなくなりました。今年はなんだか妙に静かな年越しになりました。

ところで、聞くところでは、「砂上の楼閣ドバイでついにバブル崩壊!」と、日本のマスコミは面白おかしく連日報道しているようですね。先日、出張者が持ってきた雑誌にも似たような記事がありましたが、ドバイで暮らす者の印象からすると、まぁよく裏も取らずに書くもんだなぁ、と思うような内容でした。一応、名の通った有名どころの雑誌だったんですけど。
ドバイでもいよいよバブル崩壊が現実のものになりつつあるのは事実で、日本での報道の全てがウソだとは言いませんが、現時点では日本から伝え聞いている報道のような極端な状況にはなっていません。そもそも、中東では額に汗しない富裕層と労働者層(ほとんどが出稼ぎの給与労働者)という極端な2層構造になっている社会です。金の流れ方が日本や米国とは全く異なる社会なので、金融不安やバブル崩壊がどういう形で表面に出てくるのかについては、正直なところ読むのは非常に難しい...でも、間違いなく日本や米国のそれとは異なる形になるでしょうね。

モノ書きのプロ、報道のプロは、ちゃんとプロの仕事をせねばなりませんなぁ。少なくとも、「ドバイでは失業した労働者が暴動を起こして危険な状況になってるって、ホント?」っていうのはウソです、ハイ。念のため。「TVでやってた」んだそうですが...?

ってなわけで、今年のキーワードは、「五里霧中」ってとこでしょうか?
ちなみに元日午後からは快晴でした、念のため。

皆様、今年もよろしくお願い申し上げます。
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by enjoydubai | 2009-01-04 04:24 | 日々の暮らし