どうも最近更新が滞り気味ですが、ネタは日々溜まっています。タイムリーではないですが、小出しに更新していこうと思います。
3月初旬、久しぶりにサウジを訪問しました。 好きか嫌いかと聞かれれば間違いなく嫌いなサウジ...ですが、お仕事です。仕方ありませんね。今回の目的は色々ですが、その一つが年に一度、首都リヤド近郊で開催される文化イベントであるJinadriyah(ジェナドリア)の視察でございます。我が社も協賛しているローカルイベントなのですが、コレが本当に協賛するに値するイベントなのかを日本人の目で見極め、有益であれば来年以降の方向性を探るのが今回の使命です。 大都市リヤドから車で小1時間ほど走った、な~んもない砂漠の中でジェナドリアは開催されます。15日間の開催期間中延べ100万人が訪れるという、規模としてはかなり大きなイベントです。 しかし王族も訪れるイベントのため、軍&警察による厳しいセキュリティが実施されており、会場と外界が完全に遮断されているため、お祭り会場特有の楽しげな雰囲気は無く、なんか閑散とした感じが...他国のイベントとは雰囲気が全く違います。通門時には厳しいチェック。サウジのイベントはいつもそうですが、ピリピリした雰囲気が漂います。いつものように、入場パスなどあまり用を成さず、王族系の言葉添えを楯にネゴって入場。アラブ人を相手にする中で最も疲れる瞬間です。 こちら会場全景。開催中ですよ、コレ。本当にそんなにデカいイベントなのかしらん... ちなみに今年は3月上旬でしたが、例年は2月。今年はアブドラ国王の都合が悪く延期されたのだとか。サウジのイベント運営は全てにおいてこんな感じで、だいたい開催時期の2週間くらい前まで待たないとスケジュールが決まらないんです。全てはアッラーのおぼし召し...王国なんでしょうがないです、ハイ。 ところが、中に入ってみてビックリ。なんじゃ、この人出の多さは? 外から見えた建物は、実はそれぞれがサウジの各地域の文化を紹介するパビリオンでした。ジェナドリアの正体は、サウジの地方万博博覧会だったのです。 加えてこの日は女性の入場が家族帯同を条件に認められる「Family Day」でした。普段は見渡す限りヒゲ、ヒゲ、ヒゲです。ワタシも中東に3年住んでいて、こんな黒オバケばっかの光景を目の当たりにするのは初めてです。21世紀の現在でも厳格に「男女は席を同じくせず。同じ空間に居ること自体がダメ、ゼッタイ!!」なサウジ、本当は我々も女性の家族を帯同していないと入れないのですが、スポンサーとして特別に許可してもらってます。 ちなみに昨年までは「Ladies Day」として開催期間中1日のみ女性の入場を許可していましたが、今年からは「Family Day」として3日間に拡大されました。「どうだい、サウジでも女性解放が進んでるだろ?」我々の常識からすれば悪い冗談ですが、事実これはサウジでは今までになかった大盤振る舞いなんですヨ。会場には女性のアンケート調査員なんてのもいて(サウジでは今まではあり得なかった)、インタビューされてる間は宗教警察がイチャモンつけてくるんじゃないかとヒヤヒヤし、変な汗をかいちゃいましたヨ。(ちなみに同行していたカメラマンは会場の写真を撮ろうとして「女性にカメラを向けるな!」と軍人に一喝されました) さて、サウジのローカル文化を語る上では絶対に欠かせない存在、それはラクダさん。会場の至る所で大活躍です。グフヘェェ~(ラクダの鳴き声ってこんな感じ) 色んなところで、サウジの昔ながらの風景が再現されてます。 井戸から水を汲んでます。 コチラは粉を挽いてるところです。 コチラは国境警備隊の雄姿。もちろん現在では車やヘリですが、イメージ的には未だにコレが原点なんです。サウジ人=14世紀人が金持っちゃった姿、と言われる所以です。どれぐらいピンボケ感があるかと言えば、日本の警視庁の建物に甲冑や江戸時代の捕り物グッズがデカデカと展示されちゃうイメージですな。 その他、ラクダさんたちはあちこちで人を運んだり、子供向けのアトラクション扱いだったりと大活躍です。さんざん働かされて最後は食べられちゃったりもするし。 総括すると、このジェナドリア、確かにとってもデカいイベントです。集客力もあります。企業が金を出して協賛する価値は十分にあるといえます。 あくまで日本人であり、イベント企画運営にも参画する立場にある私個人としては、毎年開催する大規模イベントとしては「???」なのですヨ。この内容って、間違いなく「例年大差ない」んですワ。間違いなく。 でもね。 コレはサウジでは「アリ」なんです。彼らは刺激に飢えているんです。しかも、女性を含めた家族で行けるイベントなんてそうそう無いんです。 加えてサウジには、観光目的では入国できません。コレは純粋にサウジ人によるサウジ人のためのイベントなんです。サウジがサウジである限り、ジェナドリアはこのままの内容で100年でも200年でも続くのでしょう。 ちなみに私にとっては恐らく一生に一度のイベントでしょうから、結構楽しめました。という事をお伝えしておこうと思います。別の日に開催されたラクダ大レース(我が社がスポンサー)を見たかったなぁ。 なお、この後、想定外にサウジの現地会社の幹部に自宅に招待され、デーツ・激甘紅茶・マンディー(羊の丸ごと蒸し焼き)等々のサウジフルコース攻撃を受けました。想定していなかっただけに、コタえた...歓待してくれているのですから感謝せねばならないのですが、サウジローカルの食生活には3年経っても慣れません... #
by enjoydubai
| 2009-03-21 06:16
| 都市の紹介
現在、日本円の相場は非常に不安定な状態となっていますな。
世界経済失速の影響を受け消費が冷え込みつつある中東において、日本企業は円高のダブルパンチを喰らっています。こうなると、会社ですから「為替損益分を営業努力で何とかせい」となり、販売の最前線に近い部署はてんてこ舞いとなるわけです。 ワタシの部署も、例にもれず現在てんてこまいです。 が、09年1月初頭に1ドル88円台をつけた日本円はその後じりじりと値を下げ、2月28日現在は97円台中盤。日本の現政権の不安定さによる国際的信用低下なども手伝い、3月の早い時期での100円台回復も見えてきました。 そうすると、超円高をベースに構築した代案は全て裏目に出ること事になります。まあ、為替がどちらに振れても対応できる駒を持つのは当然ですが悪いことではありませんから、「あんなに忙しい目に遭ったのに、仕事が無駄になった」と嘆かず前向きにとらえることが重要でしょう。 現在の円高は、円が強いというよりはドルが信用低下により価値を下げ、円がそのあおりを喰ったという要因が強いと見ています。日本円は長期的に見れば他の通貨に対して「強い」要素が乏しいので、今の円高が長期にわたる事は無いでしょう。 ところで中東の通貨は対ドル固定レートになっています。例えばワタシの住むUAEディルハムは1ドル=3.67AEDで常に固定です。ところが、生活消費財に関しては、中東はアメリカよりもECとの繋がりが深いです。食品の殆どはECもしくはECと経済的に近い地域からの輸入品です。つまり、日常的な決済はドル建てよりもユーロ建ての方が多いわけで、最近のドル安進行により中東通貨が連動して値を下げ、結果一般市場でインフレが発生してしまっています。生活者にとっては痛いです。例えばスーツのクリーニング。ワタシがドバイに来た06年、スーツ上下のクリーニング代金は20AEDでした。それが今や、48AED!倍以上です。 悪いことばかりでも無くて...ドバイでしている貯金ですが、1月のドル88円台で計算すると、最後に日本に送金した108円時点との比較で為替損だけで100万円近く吹っ飛ぶ計算でした。これ、だいぶ戻って来ました。ドバイを去る時点でいくらになっているかは「神のみぞ知る」ですが。逆に、日本の口座の貯金を円高ピーク時にコチラに全送金してたら、結構増えたのかしらと思ったり... いやいや、為替は常に水モノなので、踊らされたら負けです。今の時代、半年後や1年後の為替環境なんて、そうそう正確に当てられるものではありません。 #
by enjoydubai
| 2009-03-01 00:29
| 日々の暮らし
えー、ワタクシ、3月末でドバイ駐在を終了し日本に帰国する予定でしたが、再び任期延長となりました。
帰国のチケットは既に購入済、その他準備も既に着手していましたので、少し心の整理と身辺再整理に時間が掛かりましたが、心機一転、ドバイ生活をさらに楽しみたいと思います。帰国を心待ちにしていた妻には申し訳ないが...4月には一度日本に連れて帰るので、辛抱してね。 先の日記で少し触れてますが、1月の頭にはモーリシャスに夫婦で旅行に行ってました。その時は「ドバイ駐在最後のバカンス」と思っていたので、どうせなら日本からだと行き難い所に行こう!というわけで... スゴく良かったですよ、ええ。油断さえしてなければ... モーリシャスは、ドバイから南下すること6時間半。赤道直下、アフリカのマダガスカル島の東に浮かぶ小さな島国です。日本からは直行便がありません。ここドバイからは1日1便の直行便が往復しており、アラブ人にも人気のリゾート地なんです。アラブの海も綺麗だけど、イスラムの地では水着ではしゃぐ事は(おおっぴらには)できないからねぇ。 抜けるような青い空、紺碧の海、白い砂浜... 宿代が高かっただけあります(奮発しました)。旨いメシ。そして... 酷い日焼け。 いえね、日焼け止めは持って行ったのですよ。妻には「塗れ塗れ」言っておいて、自分は塗らず...初日はパラソルの下で読書しようと思っていたので、うっかり...でも両足が影からはみ出し、実にヒドい事に。 これ、もう火傷です。二度熱傷。滞在2日目以降も日に日に悪化、足首が酷く腫れあがり、4日目には立ち上がることすらできなくなりました。5日目に現地病院で受診、抗生剤を注射してもらってようやく症状が落ち着き、何とか帰国の途に。(しかしドバイで再び症状が悪化して再度病院送りとなるのですが...) いやぁ、良いところでしたよモーリシャス。妻は楽しめたようです。ワタクシが動けなくなってしまった影響でいくつかイベントがぶっ飛びましたが。 油断禁物、後悔先に立たず。皆さんも、ビーチリゾートでは日焼け止めをお忘れなく! ドバイ駐在が延長になったんで、もう一回行くチャンスがありますなぁ。リベンジに... いえ、次はエジプトに行きます(キッパリ)。海はしばらくイイです...このあと1カ月近く、湯船に浸かれなかったのは実に苦痛でした、ハイ... #
by enjoydubai
| 2009-02-08 04:48
| 日々の暮らし
私はグローバル企業の在ドバイ支社で、管理職を務めています。
ということは、私の下には当地採用のローカル社員がいるわけで、採用・解雇も私の責任で行わねばなりません。 本音で言えば、アラブ人は採りたくないわけです。あくまで一般論ですが、アラブ人はプライドばかりが高くて、自己評価と実力が極端に乖離しているケースが多いです。加え、プライドが邪魔して他者との良好な関係を築き難く、また壁に当たった時にその原因を自己に見出す事が非常に難しい...そんな感じなので、業務経験を通じてのレベルアップが他民族に比べて非常に遅いケースが多いのです。 悪い点ばかり挙げるのはフェアでないので、良い点を紹介しておくと、一般にアラブ人はマネージメントには長けています。下に有能なスタッフを付け、アラブ人スタッフにはマネージャーとして業務管理に専念させると、チームとしてはパフォーマンスが出る場合が多く見られます。逆に、担当者として実務をやらせるとメロメロな場合が多いです。これはアラブの文化も背景にあるので責めるわけにもいかないのですが...なので、ある程度実績がある年長者を雇用する場合はそう問題ではないのですが、若年のアラブ人を雇って育てるのは非常に大変である場合が多いです。 (私の妻の英語の家庭教師に聞いても、アラブ人の生徒が一番教えにくいそうですヨ) しかし、だからと言って、アラブで暮しアラブ人を相手に商売をやっているのに、スタッフは日本人やインド人ばかり、という訳にはもちろん行きません。しかも、私の商売は企画・マーケティング。チーム内にアラブ文化を深く理解しているスタッフを置くことは必須です。 また、我が社は経営方針としてマルチナショナリティ組織化を推進中。本社からはアラブ人雇用を最重要課題の一つとして指示されている状況です。 そんな状況下、私のチームのアラブ人スタッフが他部署に異動となり、私はその後継としてアラブ人の新卒を一昨年の10月に雇用しました。 ... 人柄としては悪くないのでしょうが、全く使いモノになりません。できない事を認めない、人に教えを仰ぐことができない...大学で専攻していたというマーケティング知識も、実務レベルで見れば期待値を大きく下回っています。しかも、周囲の先輩スタッフとの人間関係構築が全く上手く行かず、社内ですっかり浮いた存在となってしまい、業務や会社生活を通じた自発的なレベルアップが全く期待できない状況に早々に陥ってしまいました。 部門責任者として、考え得る手を全て打ち、また忙しい中でも時間を取って本人にもあれこれと逐一アドバイスをしましたが、そもそも本人の社会人としての意識が薄く、いつまでたっても学生気分が抜けないお坊ちゃんの状態を脱する事ができません。 UAEの雇用ルールでは、雇用後3ヶ月間は試用期間という事で、期待にそぐわない場合は会社側の一方的な判断で解雇できることになっています。私は責任者として解雇を決断しました...が、彼の出身大学との関係、彼が新卒であり「私の判断が厳しすぎるのではないか」という人事の反対など様々な事情から、社としては「雇用継続」という形になりました。 まあ、後の祭りですが、それがいけなかった。そのままズルズルと1年以上が経過、本人のレベルは全く向上せず。私は責任者として放っておくことはできないので手当てをするが、結果的には全て時間の無駄。 このままでは会社と本人双方のためにならないと、昨年末に社長と直談判し、タイミングは逸していますが解雇宣告をする事にしました。 コレが私の今年最初の仕事になりました。本人は「理解できない」「なぜ今だ」と抵抗しましたが、じっくりと説得し、何とか離職してもらう事にしました。私にとっては、解雇宣告は実は初の経験ではありません。コレ、解雇を言い渡す側にとっても、実にツライです。当然ですが、私の側にも「雇用時に適性を見極められなかった」「育てられなかった」という負い目があるのです。解雇を言い渡す当日は胃が痛み、会社への足取りも重いです。その度に「こういう想いは繰り返したくない」と思うんですけどね。 今回解雇したこの若いアラブ人ですが、解雇が決まって身辺の記録や書類が改めて挙がってくると、私生活でも結構な問題を抱えていたことが明らかになりました。連日、社内の電話で私用の国際電話を掛けまくり。身の丈に合わない車に乗り、身の丈に合わない遊びをし、給料では当然足りずに親から仕送りをもらい、それでも足りなくて給料前借り&カードでローン。金銭面ではほぼ破綻寸前でした。今回支給される退職金で何とか完済できるようなので(この処理も私たちの方で相当に手を貸した)、結果的に彼にとっては解雇され生活をリセットすることがプラスに働くでしょう。一度地元の親許に戻り、MBAを取るために大学に入り直すそうですが...グローバル企業に再就職できたとしても、前回の失敗の原因が自分にある事に気付かない限り、彼はきっと同じ過ちを繰り返すのでしょう。最終日、私はかなり長い時間を取ってアドバイスしましたが、どこまで届いたことか... GCCは出稼ぎ社会で、雇用と解雇は日常茶飯事なので、ドライに、かつ迅速に行わないといけません。変な温情をかけると、お互いのためにならないのです。人情派の私にはツライ社会です。 #
by enjoydubai
| 2009-01-24 23:06
| 日々の暮らし
新年早々、ごめんなさい。仕事が忙しいところ、本当に申し訳ないんですが
1週間、南の島に行ってきます。 仕事に穴が開かないように部下にはあれやこれやと指示し、さらに日本側にも協力を頼んではおきましたが... 電話&メールには反応しないつもりです。ゴメンね。だって、恐らくドバイ駐在最後のお休みなんだもの... #
by enjoydubai
| 2009-01-09 03:55
| 日々の暮らし
|
カテゴリ
以前の記事
2009年 10月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 お気に入りブログ
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||