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ヨルダン訪問(前編)

ようやく夏休みを取っております。日本の皆様、2週間ほどご迷惑をおかけしますが、しばらくカンベンして下さい。自分でも想定していなかったほどヘロヘロになっており、現在は自宅で静養しております。来週からは妻と小旅行の予定です。

先日、さわりしかアップしなかったヨルダンを紹介しますが、思ったより情報量が多いので、2回に分けてご紹介することにします。前回から時間が空いてしまってスミマセン...だって、ヨルダンでもらったアメーバ赤痢強烈だったもので...(実はソレが「想定外にヘロヘロ」になった原因の一つ)

ヨルダン訪問(前編)_f0100050_415118.jpgヨルダンは、ヨルダン川と死海を挟んでイスラエル・パレスチナ自治区と接する国。写真は今回の出張で泊まった死海のほとりのホテルから撮った写真で、対岸に見えているのはヨルダン川西岸のパレスチナ自治区です。
ヨルダンは立憲君主制の王国で、日本の1/4ほどの面積の国土に約530万人が暮らしています。国民のほとんどはアラブ人で、約6割がパレスチナ人の末裔または中東戦争の際に戦地から逃れてきたパレスチナ人であると言われています。地理的にも人種的にも、さぞかし物騒なトコロ...と思いきや、実はアラブ諸国の中では対イスラエル穏健派なのだそうな。実際、アラブ国家の中でイスラエルと外交関係を持っているのはエジプトとこのヨルダンの2国だけです。つまり、ヨルダンからは直接イスラエルに入国できる...のだが、一旦パスポートにイスラエルのスタンプを押されてしまうと、UAEを含むGCC諸国には入国を拒否されるようになってしまいます(うひー)。では、どうしてもイスラエルに入国する用事がある場合はどうするか?なんと、入国審査の際にパスポートに別の紙を挟んでおき、審査官に頼んでその紙に入出国のスタンプを捺してもらうのだそうです。

ヨルダンの主な産業は鉱業(リンが出る)、農畜産業、そして近年力を入れ始めた観光業。石油産出国ではないので、経済はさほど豊かではありません。近年、GDPは統計上プラス成長を維持していますが、実態は周辺アラブ国からの投資や援助に支えられているのが実態です。
しかし、観光業...といっても国内の治安があまり良くないため、幹線道路のあちこちに検問所があり、そのたびに厳しいパスポートチェック。その間、大型の機銃がずっとこっちを向いており(こういうところはサウジといっしょ)、サウジ人はこういうのに慣れてるからいいんだろうけど、今のところはあまり我々外国人にとって居心地の良い場所ではないですなぁ。

ここで少し解説をしておくと(カタい話。知っている人は飛ばし読みして下さいね)、「GCC」というのは、「Gulf Cooperation Council=中東協力会議」のことで、まあ中東版EU連合みたいなもの。産油国同士が石油経済だけでなく産業・経済全般、政治、法規等で連携を図ろうという国家連合体制を指します(通貨統合だけは諸事情あって現実問題として頓挫してしまっている)。「GCC諸国」という表現をした場合は、中東諸国のうちUAE、サウジ、オマーン、カタール、クウェート、バーレーンの6カ国を指します。同じ中東半島にあっても、このヨルダンとレバノン、イエメンの3カ国は産油国でないためGCCには加盟していません。


ヨルダン訪問(前編)_f0100050_4353684.jpg死海は、古くは海であった所が地殻変動によって閉じてしまい湖状になったもの。乾燥によって年々高濃度の塩水になりながら水位が下がっていき現在の地形になったのです。ご覧の通り、地形が「昔は海で、年々水位が下がった」ことを物語っています。死海は現在も年20cmくらいのスピードで水位が下がり続けているのだそうですよ。

ヨルダン訪問(前編)_f0100050_4455785.jpg内地に向かって移動して行くと、グイグイと高度が上がり、次第に緑が増えてきます。内地では水も出るし、冬場は凍結したり雪が降ったりするのです。そういう環境なので、サウジをはじめ周辺のアラブ人が避暑に訪れるのですね。まあサウジ国内にも地理的には近い所があるのだけど、ヨルダンはサウジほど厳格なイスラム国家ではないため、ホテルの中では酒が飲めたり、女性と話したりする機会がある。まぁガス抜きですな。


今回はココまで。結構カタい内容になってしまった。次回は、ヨルダンの観光資源、特に最近よく紹介されているペトラ遺跡についてお伝えします。
by enjoydubai | 2007-08-25 04:50 | 都市の紹介


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